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Vol.5 高所作業車

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Vol.5 高所作業車

高所作業車のタイプ

高所作業車はどういった場面で利用されることが多いのでしょうか?

加藤

高い場所での作業では、通常は足場を組んだり脚立を立てたりすることが大半なのですが、高所作業車の方がメリットが多い場合もあります。

作田

そうですね。高所作業車は自走できて機動力もあるので、設置や撤収がすぐに行えます。それにデッキを高く伸ばしても、脚立や足場よりも安定していますので、安全に作業できます。種類にもよりますが、いろんな高さに対応できる事というのも長所ですよね。

いろいろな種類の高所作業車があるようですが、どういったものがあるのでしょうか?

加藤

高所作業車には、「自走式テーブルリフト」「自走式ブームリフト」「車載式高所作業車(トラックマウントタイプ)」の3種類があります。

作田

自走式テーブルリフトは、高所作業車の中でも弊社で取り扱いが多いタイプですね。
非常にシンプルな構造で、基本的にはデッキは上下へ昇降するだけで、駆動はバッテリーです。高所作業車としては最も小型のタイプとなり、最大地上高は4~10m未満です。

加藤

「自走式テーブルリフト」には、「垂直マスト式」と「シザース式」の2種類の昇降方式があって、この2種類は機能の優劣ではなく、設計されている高さに合わせて選択されているんです。
垂直マスト式は何段かの収納されている支柱が油圧により昇降する単純な構造です。構造上、内側に収納される支柱が段々細くなるため、デッキを持ち上げる高さには上限があります。最大地上高4mほどの小型テーブルリフトの多くがこの方式です。
シザース式は、パンタグラフ式の支柱を伸縮させることで作業床が昇降する方式です。高く上がっても支柱部分の強度は変わらず、比較的安定性が保持されるため、最大地上高が6m以上のテーブルリフトではシザース式が多くなりますね。

垂直マスト式
垂直マスト式
シザース式
シザース式
作田

「自走式ブームリフト」は、その名の通りデッキの昇降にブームを利用しているタイプです。
このブームには「直進ブーム式」と「屈折ブーム式」があります。上下の動きだけでなく、旋回したり前にせり出したりと複雑な動作ができるんですよ。最大地上高が30mを超える大型もありますが、6m~18mほどのものが主流です。

直進ブーム式
直進ブーム式
屈折ブーム式
屈折ブーム式

こういったテーブルリフトや小型のブームリフトを専門で取り扱っている中古重機業者は全国でも非常に稀ですね。そのため、弊社でもテーブルリフトを入荷すると、すぐに売れてしまいます。テーブルリフトなどの高所作業車をお探しの方は、ぜひお早めにお問い合わせいただきたいですね。

加藤

「車載式高所作業車」はトラックマウントタイプのトラックの荷台部分にデッキが搭載されている方式です。
車両に分類され、公道を走行可能なことが利点です。最大地上高は8mほどから30mを超えるものまであり、25mオーバーのものは大人気で在庫が少ないです。中には、本体よりも下にブームを下げることができる橋梁点検仕様というものもあるんですよ。

車載式
車載式

中古の高所作業車を選ぶポイント

どういったタイプの高所作業車を選んだらいいのか迷う方もいらっしゃるかと思うのですが、そんな時はどのように判断すればよいでしょうか?

作田

高所作業車を選ぶには、まずは「車載式」「自走式」の2タイプに分けて検討してみるとよいでしょうね。
まず「公道の移動が必要か否か」で判断します。
車載式高所作業車(トラックマウントタイプ)は公道を走行可能なため、現場間の移動を伴う作業に適していますね。例えば、電線や信号、道路標識などの工事・保守といった現場です。
反対にテーブルリフトやブームリフトタイプの自走式高所作業車は、移動は現場内に限定されます。倉庫内でのピッキング作業や講堂の保守、外壁の清掃のように、現場内に終始する作業に適しています。

加藤

公道での移動がない場合は、さらに「テーブルリフト」と「ブームリフト」のどちらを選ぶのが良いかという問題にあたりますが、主に使用する現場の環境により判断するということになるでしょう。
テーブルリフトは上下昇降のみに対して、ブームリフトはブームを上下方向だけでなく、前方や横方向にまで伸ばせます。
言い換えると、作業がリフトの昇降だけで行える現場の場合、操作スピードやコンパクトさからテーブルリフトの利便性が高いといえます。ブームリフトが適しているのは、障害物があるなど、作業する場所のすぐ下に高所作業車を移動できない現場ですね。

作田

もう一つの検討する点は、足回りを「タイヤ式」と「クローラー式」どちらにするかというところになります。
タイヤ式は走行スピードが速く小回りも効きますが、段差の多い場所は苦手です。一方、クローラー式は移動するスピードは遅いですが、段差の多い場所でもスムーズに移動できます。
例えば講堂内の保守点検に利用する場合、作業スペースの床はフラットなのでタイヤ式で問題ありません。しかし、講堂の入り口に大きな段差がある場合には、クローラー式の方が適しています。
また果樹園で使用する場合、リフトの上下のみで作業できることに加え、果樹園内は木の根などの障害物があります。ですので、クローラー式のテーブルリフトが適している、ということになりますね。

作業内容と路面の状況から使う高所作業車のタイプを決めるということですね。

高所作業車のトップメーカー「アイチコーポレーション」

高所作業車にはどんなメーカーがあるのでしょうか?

加藤

国内メーカーですと、「アイチコーポレーション」「長野工業」「タダノ」「日立建機」「新明和工業」「前田製作所」「エスマック」社などの名前があがります。この中には今はもう無くなってしまった会社もありますが、まだ相当量の中古機械が流通していますね。
アイチコーポレーションの機械は「スカイマスター」をはじめ信頼性の高さと種類の豊富さから、よく利用されています。
多くのメーカーが、自走式テーブルリフト、自走式ブームリフト、車載式高所作業車の3種類の高所作業車のうち一部タイプに特化しているなか、アイチコーポ―レーションは全ての種類を製造しています。その理由もあって高所作業車のノウハウを蓄積・活用した製品づくりでユーザーから高い信頼を得ていますね。

海外メーカーの高所作業車は流通しているのでしょうか。

作田
海外製高所作業車
海外製高所作業車

国内で流通している高所作業車のほとんどが国内メーカーですが、「ジーニー(Genie)」「JLG(極東が代理店)」「アップライト」などの海外メーカーも中古市場で取引されています。
一般的な重機では、海外メーカーは部品供給やサポートの面から敬遠されがちです。ところが、高所作業車、とりわけテーブルリフトはシンプルな構造のため保守が比較的容易であったり、国内にサービス協力店などがあることから、安心して利用されていますね。

高くても買いたい!安いから買いたい!
中古高所作業車の2つのニーズ

高所作業車への問い合わせはどういったものが多いのでしょうか?

加藤

弊社でも高所作業車は人気の機種で、多くのお問い合わせをいただいていますが、実は「高くてもこういった機械を買いたい!」というお問合せと、「この機械は安いから買いたい!」という問合せの2通りがあります。
「高くても欲しい!」という問合せは、最大地上高が15mオーバーの車載式高所作業車が多いですね。そういった車両は中古市場であまり出回らないので、状態が良好な車両は相当な高値がついてしまいますね。

作田

「この機械は安いから欲しい!」というニーズがあるのは、テーブルリフトやブームリフトタイプの自走式高所作業車です。
中古重機の相場は人気や新品価格、経年数や状態で決定されます。自走式高所作業車の新車価格は高額なうえ人気もあるので、当然中古重機の相場価格は高くなるはずですが、実際は新車価格と比較すると安価な価格帯で流通しているんですよ。

それは不思議ですね。

加藤

不思議に思われるでしょう?安価の理由は、そういった自走式高所作業車の大部分がレンタル業者から払い下げられた、ハイアワーかつ低年式の車両だからです。
レンタル業者に導入された何百台もの新車の自走式高所作業車は、様々な現場で稼働し、10~15年経つと中古市場へ払い下げられます。高稼働なために外板や本体カバーの変形や、ハケ塗り塗装で塗りなおされている車両もあり、そのような車両は安値になる傾向があります。

そういった車両は安全面で問題がないのでしょうか?

作田

問題なく利用できるものがほとんどですね。
高所作業車は「建設荷役車両安全技術協会(けんにきょう)」の指定する「特定自主検査」の対象になっており、レンタル業者によって安全衛生法例上大きな問題がないように基準を満たす整備・点検が行われています。適切に管理されてきた中古重機には、年毎行われる「特定自主検査のステッカー」がついていて、点検表(コピー)や取扱説明書もついているものがあります。
そういったレンタル会社で稼働していた車両は、自主検査が確実に実施されていることや、流通価格の低さもあるため、中古で販売されている自走式高所作業車は現状販売が常ですね。

加藤

ただしリース・レンタル会社からの高所作業車の放出は、オークション(入札)形式で5台・10台などの複数台セットで出品されることが多く、その中に不具合がある車両が混じっている場合もあります。そのため、弊社では仕入れた自走式高所作業車の全てに対して、不具合の有無をしっかりチェックしていますよ。
また、不具合がある場合は、「修理することで再販可能になる車両」、「修理代が高額になるので再販しない車両」を分けているんです。ただし修理をあまり行うと、中古機械としての価格が上がってしまうため、安全に利用できる必要最小限の修理に留めています。
自走式高所作業車の中古機の入手時には、低年式かつ高稼働の車両だということを認識して、ご自身の目でしっかりと状態を確認することが必要ということですね。

購入する際のチェックポイント
充電器とバッテリーの確認

状態を確認する箇所はどういった部分でしょうか?

作田

中古の自走式高所作業車を購入するとき、第一に「充電器」と「バッテリー」を確認してください。

充電が不可能だと高所作業車は稼働しないので、充電器の不良は致命的です。一定時間充電することで、充電器が機能するか否かを確認できます。購入時の短い時間ではフル充電まで試すことは難しいかもしれませんが、可能な限り試したほうがよいでしょうね。

充電器
充電器
加藤

動力となるバッテリーの確認ですが、消耗品ですので長く利用していると要交換となります。入手の際にはコンディションを確認して、継続利用ができるのか、要交換なのか確かめましょう。

スイッチを起動させると、大抵の高所作業車はインジケーターでバッテリーの残量を確認できますが、バッテリー液の比重計や専用測定器を利用するとより正確にバッテリーの状態を把握できます。弊社ではお客様に比重計の計測結果もお伝えしていますので、わざわざ計測する必要はありませんが、気になる場合はご自身で確認してみてはいかがでしょうか?

バッテリー
バッテリー
インジケーター
インジケーター
作田

その他に、カバーを開けてバッテリー自体を目視することもできます。
自走式高所作業車には複数のバッテリーが積まれていますが、1個ずつに生産年月日や交換期限の月日が記されている場合、バッテリーの交換が必要かどうかわかります。ただしバッテリー交換が必要な場合でも、新品のバッテリーの無駄な消耗を避けるために、展示中は交換していないこともあります。
「状態の悪いバッテリーは、納品時に新品バッテリーに交換してもらえるか?」「自分で新品のバッテリーに交換する必要があるのか」という点も、中古重機の販売業者への確認ポイントですね。

動かせる箇所は実際に動作して確認が必要

動作確認のポイントはありますか?

加藤

一言で言うと「動かすことが可能な箇所はすべて動かしてみる」ことですね。
自走式高所作業車は非常に単純な構造なため、稼働する部分は「走行」と「リフト」の2点だけなんですね。
走行についての動作確認は、実際に走らせて行います。前進・後進に加えて、左旋回や右旋回などの動きもテストが必要です。高稼働の高所作業車の中には「左旋回に難がある」などの不良箇所が見つかることもあります。実際の操作感を確かめ、その不良具合が許容範囲なのか判断してください。

作田

リフトの動作確認も、実際にリフトを昇降させて行います。このときに必要な事は、「必ず最高位置までリフトを上げる」ことですね。なぜなら、リフトを途中まで上げて動作確認しても、それ以上の高さで水平センサーによる安全装置が誤作動し、停止する可能性があるからです。
リフトを昇降させた差異、マストやシザースのガタによる揺れがあるかどうかも確認してください。安全性に問題はありませんが、揺れが許容範囲かどうか確認しておくことが重要ですね。

高所作業車をより長持ちさせるためのメンテナンス

高所作業車をより長く使用するための使用方法や、保管・メンテナンスにコツはあるのでしょうか?

加藤

バッテリーを大切に使うことが、一番のポイントでしょうね。消耗品ですが、使い方の工夫だけでも長持ちに繋がるんです。
リフトを上昇させたら、作業中は手元の「非常停止ボタン」で動力を切ることでバッテリーの消費をかなり抑えることができますよ。
風雨にさらして保管すると計器が故障するので、風雨にさらさないように保管することもポイントの一つです。水平センサーの周囲に雨水が溜まり錆びてしまうと、センサー自体が傾いて水平を正しく検知できなくなり、その結果、安全装置が誤作動してリフトが昇降できないといったトラブルにつながります。

作田

基本的なことになってしまうのですが、定期的な点検が長く使用するためには必要になりますね。高所作業車は「建設荷役車両安全技術協会(けんにきょう)」が指定する「特定自主検査」の対象の機械ですし、高所での作業には常に危険が伴います。日々の安全な作業を行うためにも、定期的な点検を行うことをおすすめします。

シンプルな構造にみえて、意外と奥が深いんですね。高所作業車のことについて、とてもよくわかりました。ありがとうございました。

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