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Vol.1 木材破砕機

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Vol.1 木材破砕機

自走式木材破砕機のタイプ

そもそも、自走式木材破砕機ってどんな種類があるんでしょうか?

加藤COO

自走式木材破砕機といえば大きく分けると『タブ式』と『横入れ式』の2つのタイプがありますね。
この選択を適宜行うことが、破砕作業の効率に大きく影響を及ぼします。

大量の太い(大きい)木材や抜根の破砕に適したタブ式木材破砕機

作田課長

タブ式自走式木材破砕機は、丸いお椀状のタブ(ホッパー)の中に上から木材を投入して破砕するタイプの破砕機ですね。空いているタブ上から投入するため、木材だけでなく、湾曲した広葉樹の幹やその抜根、根に近い位置の太い幹などの破砕も得意です。

タブ式自走式木材破砕機
タブ式自走式木材破砕機

なるほど、用途に合わせて選ぶことが必要なんですね。
タブ式木材破砕機で、使う際に注意するべき点は何があるのでしょうか。

加藤COO

実際に利用するにあたって、投入する木材のサイズによっては破砕機に投入する前に小さく砕く等の処理が必要ですし、直径より長いまっすぐな木材を破砕するためには、前もって2mほどの長さに切断しておくことが必要となります。
また、タブの中に投入した木材は自重で底部の破砕機に接触していくため、自重が軽くなると破砕機が空回りしてしまい、結果的にタブ内へ投入した破砕材の80%くらいしか破砕できません。

少ない量の木材、細長い木材の破砕に適した横入れ式木材破砕機

横入れ式の場合は、注意するべき点はありますか。

作田課長

横入れ式木材破砕機は、ホッパーコンベアに木材を投入すると、押さえローラーが木材をつかんで送り込みながら破砕する仕組みです。そのため、例えば1本だけ破砕したいといったような少ない数量の木材もしっかりと破砕することができます。
また、製材加工されている細長い廃材も裁断せずにそのまま破砕できます。

横入れ式木材破砕機
横入れ式自走式木材破砕機
加藤COO

ただし、破砕室入り口の高さ寸法以上の大きさ(≒木材の太さ)の木材は送ることができないため、破砕できる太さには限界がありますね。
また、竹は非常に筋状の繊維が出やすいという特徴があって、タブ式で破砕すると竹の繊維がタブの隙間にたまり、ホッパーが故障してしまうことがあります。
そのため、竹の破砕を目的とする場合には横入れ式の木材破砕機をおすすめします。
まとめて考えると、根株・抜根の破砕にはタブ式、解体木材・細長い木材には横入れ式を選択するのがセオリーということになりますね。

なるほど!投入する木材を考えて購入するタイプを決めていくといいんですね!

破砕する量を基に国内製か海外製かを選択する

木材破砕機は海外メーカーも多いようですが、どちらを選べば良いのか、基準はありますか?

作田課長

自走式木材破砕機を生産している国内メーカーは、コマツ建機、諸岡、日立建機、古河などがあります。また木材破砕機の本場ともいえるアメリカをはじめとする海外にもメーカーが存在し、代表的なものとしてピータソン、モバーク、ドップシュタット、ジェンツ、ウィリーバルド、フォーラス等が挙げられます。

海外製の自走式木材破砕機
海外製の自走式木材破砕機

国内・国外のメーカーは次のような傾向にあります。

・日本製
サイズ:小・中型(エンジン出力100~300ps中心)
メンテナンス:迅速な対応
ユーザー:初心者でも可

・海外製
サイズ:大型が中心(400~700ps以上も多い)
新車販売価格:高め
メンテナンス:部品調達に時間がかかる場合あり
ユーザー:慣れている方対象

作田課長

利用する場所の狭さや移動距離、またチップ化の必要量などを考慮すると、小・中型サイズの自走式木材破砕機のニーズがどうしても高くなりますね。
逆に、小・中型の木材破砕機では間に合わないような大量の処理が必要な場合は海外メーカーを選択するのが良いのではないでしょうか。
これらの理由から、初めて木材破砕機を導入する際は国内メーカーの木材破砕機の方が安心なのかもしれませんね。
海外製の機械でも日立建機やキャタピラーグループが取扱いしている商品、輸入代理店がしっかりアフターサポートしている商品もあるので、よく情報を集めることをおすすめします。

ありがとうございます。購入の基準がよく分かりました。

木材破砕機のトラブル

異物混入による破砕室の破損

木材破砕機でよくあるトラブルを教えてください。

加藤COO

自走式木材破砕機は巨大な力で木材を破砕ビット(動歯)やアンビルプレート(固定歯)に打ち付けて破砕する仕組みをもつ重機なので、破砕室に石・鉄等の破砕対象物以外の異物が混入し、砕室内の構造物が破損することがありますね。

作田課長

大部分の木材破砕機は磁選機が装備されており、釘くらいの大きさの鉄が混入しても大丈夫なように設計してありますが、特に解体現場での破砕作業の場合、廃材中のボルト・釘等の金属部品が投入する廃材に混入してしまうリスクはどうしても存在します。
混入した異物の大きさによっては破砕ドラム・破砕ビットが破損するケースもありますので、注意していただきたいですね。

なるほど、異物が要因となることが多いんですね。投入前に異物を除去することで、このトラブルは防げそうですね。

電気系のトラブルに起因するシステムエラー

その他によく起こるトラブルはありますか?

加藤COO

多くの自走式木材破砕機は事故発生防止のための安全装置や操作方法が電子制御されており、数多くの電子回路が装着されています。
木材の破砕作業で生み出される木材チップが木材破砕機内部に蓄積され、それを放置してしまうと、時間とともにたまった木材チップが腐敗し電気配線の被覆部を腐らせ、断線を起します。
機械を始動させたのに反応がない場合、木材破砕機本体には不良箇所は無く、安全装置もしくは電気系統に上記のようなトラブルが発生し、エラーコールがディスプレイに表示され、木材破砕機が始動できない事態を引き起こしているというケースは結構ありますね。

木材破砕機が引き起こす火災

加藤COO

自走式木材破砕機が使用されている木材チップ生産現場では、残念ながら火災につながるトラブルが多く発生していますね。例を挙げると自然発火ですね。堆積して放置されている木材チップの内部が発酵して、その熱が自然発火につながります。例えば落葉を発酵により腐葉土化させる場合、発酵熱により内部は最高で70℃まで上昇するのです。

作田課長

排出用ベルコンの勾配を強く設定して、自走式木材破砕機から運搬用ダンプに破砕チップを直接積み込む作業を行うと、勾配が急なため、排出コンベアの根元に木材チップが溜まってしまい自然発火につながる恐れがでてきますね。

なんと!木材破砕機自体が燃えることもあるんですね!

加藤COO

他には木材に金属を混入してしまった際、破砕室でドラムと衝突して火花を生むことがあります。火花が木材チップに落ちて火災の原因になってしまうのですね。

作田課長

木材破砕の現場では、火を使うことは少ないですが、ディーゼルエンジンや油圧モーターを使用することが多い自走式木材破砕機の場合、重機自体や破砕時の摩擦熱により破砕ローターなどが熱を持ちます。その重機の隙間に木くずが溜まると火災につながることも多いですね。

加藤COO

燃えやすい「木」を大量に扱う現場ですから、ユーザー様には火災に対して本当に十分な注意を払っていただきたいですね。

メンテナンスを怠ると最悪火災に繋がってしまうんですね。日ごろのメンテナンスをしっかり行うことが非常に大切な重機だと分かりました。

それでは、木材破砕機をトラブルなく利用するコツはありますか?

加藤COO

破砕物選別等の破砕作業の前処理を確実に行っていただくとか、破砕作業時に異音等を感じたら即座に作業を停止して破砕機の状態確認を行うことも大切ですね。

作田課長

発酵による自然発火の場合、溜まっているチップが多いと表面には何も兆しは無いのに、内部では可燃性ガスが発生している可能性もあります。木材チップを堆積・放置すると染み込んだ雨水が発酵を促進するので、溜まった木くずを均し、量を減らす等して発火の恐れをなくします。

木材破砕機に特有のメンテナンス方法

一番のポイントは毎日の清掃

加藤COO
清掃中
清掃中

弊社では、毎日の清掃を本当に大切にしているのですが、トラブル発生に対する有効施策もやはり清掃になりますね。
1日の作業終了時には、必ずタブの開閉部や破砕室のハッチを開け、エアコンプレッサーやブロアなどで木くずを除去することが肝心ですね。
自走式木材破砕機のオイルクーラーなどの熱交換機、エンジンの吸気口廻り等は厳重に防塵対策されている機械が大部分なのですが、木材の破砕時には大量の木材チップやおがくず、木粉などが飛散するため、清掃が不十分な場合、コアやフィルターが目詰まりをおこし、防塵機能が低下することがあります。
冷却機能が低下したエンジンや油圧を多用するパワートレーンは急激に性能が低下し、オーバーヒートしてしまいます。破砕作業終了後の清掃と作業時の点検時間を作業計画に盛り込み、事故トラブルの発生防止施策を実施していくことが必要になります。

木材以外を極力投入しないこと、木くずが溜まらないようにこまめに清掃することがポイントなんですね。

交換時期の判別が難しいベアリング

破砕する部分以外で破損しやすい箇所はありますか?

作田課長

ベアリングについては交換の目安が提示されていないために気付きにくいのですが、摩耗しやすい箇所ですね。
そのため、あまり気にすることなく使い続けてガタつきや異音発生の原因になることがあります。異音がないかというのは中古の木材破砕機を選ぶ際の一つのチェックポイントでもあります。

ビットの構造によって異なる消耗時間

加藤COO

破砕ビットはその種類によって消耗時間が異なりますね。通常よく採用されている「ピンチップ」を生産するための「ハンマービットタイプ」の場合、破砕する材料によっても異なりますが100~200時間ぐらいで破砕効率が落ちて要交換となるのではないでしょうか。
一方「切削チップ」を生産するための「切削カッタータイプ」のビットは、メーカーにもよりますが、8時間ぐらいでの交換が推奨されているようです。

摩耗ハンマービット
摩耗ハンマービット
摩耗ハンマービット(拡大)
摩耗ハンマービット(拡大)
作田課長

近年、バイオマス発電所での需要から「切削チップ」を生産できる自走式木材破砕機が輸入されたり、国内でも製造されていますが、切削カッターは木材の繊維を断ち切り、断面を直線的に(焼却炉への送り込み時にアーチを作らないように)しなくてはならないため、ビットの刃先にかかる負担がより大きくなります。

切削カッター
切削カッター
切削カッター(拡大)
切削カッター(拡大)

破損する前に、定期的に交換することで長持ちできるということですね。

木材破砕機のメンテナンスコストを抑える工夫

メンテナンスはどうしても費用がかかります。できるだけメンテナンスコストを抑えるコツはありますか?

イミテーションパーツを使用

加藤COO

どうやって自走式木材破砕機のメンテナンスコストを抑えるかですが、ハンマービットは本来、破砕効率が処理能力計算書等で約束されている純正部品を使うことが理想ですが、低コストなイミテーションパーツも販売されています。
見た目は全く一緒ですので、使用してみるのもコストダウンの面から有効ですね。

切削カッターの見直しを行う

作田課長

1枚の価格が安価な使い捨て方式と高価な再研磨方式にするか、どちらの場合も採用しようとする木材破砕機の切削刃の枚数とメンテナンス性を考慮にいれ、スペア刃の使い回しのサイクルを考えることがコスト削減の上で重要ですね。
破砕ローターなどの簡単に交換できない部分については、フラットバー鋼材などを溶接して摩耗しやすい部分をあらかじめ補強しておくことも効果的です。

補強部分のメンテナンスはわかりました。その他で工夫できる部分はありますか?

加藤COO

補強した後には破砕ローターのバランス取りをおすすめします。自動車のタイヤバランスと同じ原理で、バランス取りを行うと破砕時の振動が軽減され、フレームの亀裂等を予防できます。きっと燃費効率も上がると思います。
破砕ローターを保持しているベアリングへのグリスアップは頻繁にしたほうが良いでしょう。木材破砕機の破砕ローターは高速回転することが特徴です。恐らくかなり高温になっているかと思います。
転動体がフレーキングを起こすと「ゴー」音が出て、がたつきが出てきますし、かじりを起こすと「ガタン」音が出ます。要交換ですが、汎用ベアリングカタログで規格寸法を合わせても、この部分だけは純正品を使ったほうが良いと思いますね。

補強だけでなく、軸をメンテナンスすることも大切だということですね。

スクリーン等の自作

加藤COO
スクリーン
スクリーン

日本製の木材破砕機の場合は、鉄板の厚みが9mm程度のためスクリーンを自作することも比較的容易です。
この際、産出する木材チップの大きさに合わせて穴の径を設定することができます。レーザー加工機を使用した場合、厚さが9~11mmの普通鋼製の鉄板は、切断可能ですので、希望のスクリーンの採寸をして製罐加工の得意な加工屋さんに製作を依頼すると新スクリーンの購入コストを削減できます。
ただし、海外製の木材破砕機はスクリーンの鉄板が厚いため自作は難しいようです。

自作でコストを抑えることも可能なんですね。木材破砕機の取り扱い方、非常にわかりやすかったです。ありがとうございました!

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